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MySoftがMule市場に参入、[M]Mailer発表

まるでアップルとマイクロソフト?2社間の微妙な関係

 MySoftは5月23日、[M]Mailerのパブリックベータ版を発表した。これによりMySoftは事実上Mule市場への参入の噂を認めた形となった。

 このソフトは、Mule3の「ミュ〜ルおてがみ」機能で作られるテキストファイルを取り込み、整理・保存しておくものである。またMySoftが発表した開発ロードマップによると、将来的にはソート機能、検索機能、フィルタ機能等が追加される模様。インターフェースもメールソフトに似たものになる可能性もある。

 この新ソフト投入について、MySoftのCEO、Jasper氏は
「全国に大勢いるMuleユーザーの方に少しでも貢献できればと思い、このソフトを発表した。Muleのそばにはいつも[M]Mailer。出かけるときは忘れずに。」
 と述べ、[M]Mailerの開発に意欲的であることを示した。

 しかし、MySoftには周知の通り、主力製品として「アプルっち」という育成ものがある。無論Muleの機能、または目的といくらかの重複部分があり、競合製品と言ってもよい。それにもかかわらずこの市場に参入したことについては、Jasper氏はこう述べている。
 「競合しているばかりでは互いを高めあうことはできない。むしろお互いに技術協力もすべきだと思う。……最も、さすがに自社のアプルっちよりこちらに注力することはまずないと思うがね。サイドビジネスといったところか。」

 この発表に関して、たつ工房サイドでの動きは全く表面化していないので何とも言えないが、おおむね好意的な反応を示していると取ってよいだろう。またユーザー側の評判も良く、Muleの世界的権威であるわこう教授は、我々のインタビューに対して、

 「サードパーティーがまた1つ増えたようで、我々はかなり喜んでいる。最初に某社がサードパーティーとして名乗りを挙げた時はさすがに意外で、酔狂なCEOも居るものだと思ったが、これだけユーザー数が増えた今、参入企業が現れても全くおかしくないだろう。この方面の市場は当分は安泰だ。」

 と答えて歓迎の意を示し、Mule親の会会長兼サポート主任のシレスト嬢は

 「親の会側としても歓迎いたします。Muleユーザーのニーズが増している今、新規サードパーティーの参入は必要不可欠なものでした。ただ1つ心配なのは、コマンドファイル群が増え過ぎてサポートへの要求が厳しくなっていることですが……これは『嬉しい悲鳴』ともいえることです。」

 と述べて、親の会側でもサポートすることを暗に示していた。

 ただ1つ心配されるのは、この参入によってアプルっちの次期バージョン完成に遅れが生じることであるが、これについてJasper氏は
 「最近はやりのAppleScriptアーキテクチャも一部に採用した通称『アプルっちV(ブイ)』の構想すら順調にすすんでいる。なんと昨日『新規スタック...』を実行した夢を見たくらいだからね」
 と述べ、すべて順調にプロジェクトが進行していることを示した。

[Mari Kato/ハイパー共同]

 

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