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たつ工房、Mule 4を開発中

謎につつまれた新Mule、その実態とは

 たつ工房(CEO:TATSUNOSKE. 資本金3120円)は2000年6月6日、自社主力製品であるデスクトップ・アシスタントソフトMuleのバージョン4を制作中であり、すでに老舗サードパーティであるPONAPALT-FactoryのSSRD部門(Shillest Software Research & Development)にデベロッパ版の一部を渡したことを明らかにした。

 ただし、今回の発表ではその内容と構造については一切明らかにされず、デベロッパ版を得たファクトリー側も口を閉ざしたままである。前回のMule 3での機能発表があまりにも時期尚早で、一部機能が予定通りに実装されなかったという失敗を両会社とも相当に気にしている模様だ。

 「現時点では何も言えない。コア部分さえ出来ていないものでね」と、たつ工房CEOのたつ氏は冷たい扱い。また、SSRD部長兼SHILLEST.net代表のShillest Noydellfarm氏も、「確かにデベロッパ版はいただいていますが、まだラボのテスト部門にかけたばかりですし、コマンドも半分以下しか揃っていないので何ともいえません」と言ってそのまま口を閉ざした。

 Muleの世界的エバンジェリストであるわこう氏も「私は何も聞いていないし何も知らない。Mule 3.1の安定性には満足しているし、もしMule 4が本当に開発中だとしたらあせらずゆっくりとやってほしいね」と述べ、開発サイドにもっとも近いユーザーさえ何も知らされていないことを明らかにした。

 そののち各エバンジェリスト(駄猫屋、MySoftなど)にもインタビューをくり返したが、どこでも「知らない」という趣旨の答えしか返ってこなかった。今回の情報統制はかなり厳しいものであるらしい。

 現在「XTコアの一部を採用し、様々な部分で高速化がはかられる」「グラフィックがまた全面的に書き直されるらしい」「Mule 3でお流れになった人工"無能"を実装し、一部をC言語で書いて素早くかつ繊細にふるまう」「一部がXTカーネルの隠し機能になるかも」などという憶測が各所で乱れ飛んでいるが、真実は未だたつ工房とSSRDの中にしか存在していない。

[萱島 由利/ハイパー共同]

 

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