+-----学園物語3-----+
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◆Phase 4 そして伝説へ……!?
「だからおまえらはいっつもなんつーことをしてくれるんだちくしょおぉぉぉぉぉっ!!」
どかぁぁぁぁんっ。
また校長室の値段がたいそう高そうな机を灰にして、校長は怒鳴った。
こういう時に限って、今度は真里は行方不明である。
「あの中にはいったい何が入っていたと思っているんだっ!?」
「……遺跡というぐらいだから……おそらくは……伝説の魔力生命体とか、そんなシロモノかと。」
「ばっかもぉぉぉぉんっ!!」
どかどかぁぁぁぁんっ。
良昭の言ったことは、確かに正しい。そんな類いの怪しさメルトダウンの物体があるとかいう伝承があるのも事実。
……しかし。
トラックに轢かれた、校長のその『シロモノ』とは、そんななまやさしいモノではなかった。
「おまえが、日本随一の珍種『アマミノクロデメキン』を知らないとは言わせないぞっ!」
「……知らない、ですけど。」
奄美大島に果たしてそのかなりいわくつきそうなデメキンがいるのかどうかはさておき。
校長が大事に保管していた『筒』の中身は、紛れも無く金魚であった。
「……ともかく、その珍種を奪おうと、隣の市の校長があのようにエージェントをさし向けてきたのだっ。」
何とも物騒なるもマヌケな世の中である。
「それが、あのザマかっ!?」
その金魚が名前のとおり明らかに黒いがゆえに。
道路には無数の魚拓ならぬ金拓がえんえんとくっついている。
「いえあの、金魚のためにあそこまでするのもどうかと思いますが……」
「なんだとっ!?あの中には私の愛する識別番号D4『金ちゃん』が住み着いていたのだぞっ!?」
どうやらそのD4とやらを司会にして仮装大賞でも始める気だったようだ。
「えー……形あるものはみないずれほろびるとも言いますし。」
「うんうん、確かにそうだ。しかしそれが何か言い訳になるとでも思っているのかね?」
「……思ってません……」
「うむ。素直でよろしい。というわけで村尾良昭には懲罰室で禁固刑3日の実刑判決を申し渡す。これにて閉廷!」
良昭の行動が裁判官の心証を極めて悪くしてしまったようで……
……さらにパワーアップした『ハイパー懲罰室』が、良昭を待つ。
で、まあ、話がこれで済んだなら、何にしろたぶん問題はなかったのであるが……
……………
伝説が、無かったわけではない。
あの金魚の筒かあった部屋の片隅に、さらにもう1本の筒が無造作に置かれている。
そう。
金魚によって登場を阻まれた、伝説の『○×△□』である。
……要するに、日の目を見ることなくボツ確定になった、悲惨な新キャラなのだ。
ここに、その彼女の遺言を書き残して、物語を終わることにしよう。
「どっ……どうして金魚の金ちゃんなんですかぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ちゃんちゃん。
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