+-----学園物語3-----+

 


学園物語3
 

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◆Phase 3 大八チェイス
 
 「んだから何でオレが1人いっつもいちいちこんなしんどいことしないといけないんだぁぁぁっ!!はぁっ、はぁっ、」
きこきここきこきここきここきこっ!!ごろごろごろごろごろごろごろっ!!
 無理やり近くの農家から非常時調達(ただの分捕り)してきたばかでっかい大八車。
 それを自転車の荷台にむりやりくくりつけ、自転車には良昭クンを乗っけて、あたいは怪しさ超弩級の筒といっしょに大八車の上に。
 「もちろんっ!!こんなかよわいあたいをほっとけないからっ!」
 「いっつも『乗らないと魔法を暴走させてフキ飛ばすわよ』とか言って脅すくせにっ!!はぁっ、はぁっ、」
 「……そんなにフキ飛ばしてほしいなんて、良昭クンも変な趣味ねぇっ。」
 「どういう意味だっ!!」
 その瞬間、自転車の速度が一瞬緩まる。
どごぉぉぉぉぉんっ!!
 「こらっ!!手をヌいてどーすんのよっ!本気であんなの食らったら今晩うなされて寝られないじゃない!」
 正直のところ、あたいの勘では、うなされて眠れないどころじゃない。
 「ちくしょおぉぉぉぉぉぉっ!!」
きこきこきこきこきこきこきこきこきこきこっ!!
 せっかく校門すぐの道を右見て左見て安全左折しようとしたのに、さっさと爆弾を仕掛けたのだろう人々にぶつかってしまった。
 しかも相手は自転車とはいえかのヤマハのPAS。モーターつきなんて反則よっ!と言ってみたけど反応なし。
 ……いや、反応はあったけど、それが魔法弾だったからねぇ……
 「『雷撃』!『衝魔弾』!『滅殺輪』!」
ぱすっ!ぱすっ!ぱすぅっ!
 しかもこういう時に限ってことごとくあたいの魔法は失敗したりするんだ。てへっ。
−−−−−
 「……これで何とか、カモフラージュは成功、か……今ごろ奴ら、『彼女』があの2人のもとにあると思ってるに違いない。」
 校長、1人ぶつくささっきの地下でつぶやいている。
 こんなことを毎日してるから『インケン校長』とか呼ばれたりするのだ。
 「さて、と。」
ぴっ。
 土台の部分にある小さなボタンを押すと、緑色の液面がするすると下がり始めた。
 ……今、とうとう『謎』が姿を現す……
 ……と、をい……?
 「んなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!そんなアホなぁぁぁぁぁっ!!」
 中身には布切れ一枚。しかもこう書いてある。
 『ハズレ 残念でしたまたどうぞ おしりペンペンくーやしかったらここまでおいでー。』
 「まちがったぁぁぁぁっっ!!ホンモノはあっちだぁぁぁぁっ!!」
……………
 「どうにかしろ真里ぃぃぃぃぃぃっ!!」
 前は10トン級トラック、右は大きいドブ川、左は線路で、後ろはPAS部隊。
 「そんなこと言われても一気にぜーんぶフキ飛ばすような魔法のレパートリーないしっ!!」
 「どーせレパートリーって言うほど魔法知らないくせに。」
 「どーゆーことよっ!!それっ!!知っているだけならいくつも知ってるのよっ!!」
 「うそつけ。」
 「……ほぉーん……あたいをそんなに怒らせるとどうなるか、わかってるよね。」
 眼が、コワい。
 このときの真里は、またもやアブないことをしようとイウ大企画をたてているときの真里である。
 「ひっさぁぁぁぁぁぁぁつ!!」
 取り出したるはとあるゲーム機のコントローラーっ!!
 「『伝説の剣』無限増殖っ!!」
 ACBDBDACACBD上下上下!!
どさどざさざどどどどどどどどっ!!
 さっきのコマンドが実際に某ゲームで通じるのかはさておき、突然『伝説の剣』とやらがじゃんじゃこ降り注ぐ。
 その数、なんと1023本!芸が細かいことに2進数まで考慮しているっ!!
 「まっ……曲がりなりにも『伝説の剣』がこんなに……」
 「よくゲームではあることだからこだわんないのっ!!さっさと投げちゃいなさいっ!」
 「投げちゃいなさいって、オレは自転車こいで」
 「さっさとやるのよっ!!」
どさどざどさっ!
 「ええいっ、もう知らねーやっ、ちくしょおぉぉぉぉぉぉっ!!」
ぶぅんっ!!
ぐさりぃぃぃぃっ!!
 ダメージ970!
ちゅどぉぉぉぉぉぉんっ!!
 良昭は81ポイントの経験値を獲得……してるかどうかは知らないが。
ぶぅんっ!!ぶぅんっ!!ぶぅんっ!!ぶぅんっ!!ぶぅんっ!!
ぐさぐさぐさぐさぐさぁぁぁぁっ!!
ちゅどどどどどぉぉぉんっ!!
 あのバカ高いヤマハのPASが、さんざんにブチ壊されていく。
 経済的に、あまりにももったいない。
 ……校舎をツブされるよりはだいぶんマシだとは思うが。
ちゅどぉぉぉぉぉんっ!!
 「みっしょん・こんぷりーと!!良昭クンのレベルが1上がったっ!」
 「ふっ……照れるな、って、そうじゃなくてだ……あー……何とも言いにくいんだけどさ……」
ブーッ、ブゥゥゥゥゥゥゥッ!!
 「……前から来てるトラックは、さすがにどうにもならないんだよな。」
 「ねぇ。良昭クン……それってもしかして……」
ブーッ、ブゥゥゥゥゥゥゥッ!!
 「「どぅえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!??」」
どごしゃーんっ、ぱりぃぃぃぃんっ、めきめきめきめりっ、ぐしぁああぁぁっ!!
……………

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