+-----学園物語3-----+

 


学園物語3
 

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◆Phase 2 とにかくそういう事じゃない
 
 「原因?理由?犯罪者?悪の根本!?……みーんな、おまえらだろうがぁぁぁぁっ!!」
ぷちちゅどぉぉぉぉぉぉぉんっ!!
 前々回(と言っても知らないか)地下の廊下を焦がした校長は、今度は机をこんがり焼いた。
 「いちいち破壊事はみぃぃぃんなおまえらのせいだろうがっ!!少しは反省しろっ!!」
 ミディアムレアーになってほくほく湯気をたてる真里の首ねっこをつかみ、さらにデラックスなゆすりをかける。
 「……いやでも、実際に根本の原因は、あそこに爆弾を置いた輩だとは思いますが……」
 都合のいいときに真里は気絶して、いつもこうやって良昭が弁護させられる。可哀想だと思わんか!?
 「コードをぷち切ったのは誰だっ!?ええっ!?この中古森妖精だろうがっ!!中古者センター(誤字ではありません)に払い下げてやるっ!!」
 「まあ、中古は置いといて……どうして、爆弾なんかをこんなド田舎の学校に?」
 ……まだ、気絶したまま湯気をたてている。
 「ふふふっ、実は……と言いたいところだが、犯人のしっぽすらつかめていないのだ。」
 「そういえばこのところ、ゾンビが授業中に乱入してドジョウすくいしたりと、不穏なムードでしたからね。」
 ちなみにその時も、犠牲を最小限にとどめて退治したのは真里だった。
 『真里のレベル』で、最小限だった。
 「……ただ。原因は………」
……………
 「これが………?」
 呆然とする真里。ただ、真里自身がはたから見ると非常識極まりないことを、真里は知るわけがないけども。
 「学園を建設したとき、地下には遺跡があってな。あらかたは発掘隊にほじくり返されて博物館行きになったが……」
 「……で、もしかしてこれってやっぱりパターン通り、何だかすらわかんない相手に奪われたらヤバいものってわけ!?」
 そこには、筒があった。
 ただの筒ではない。ガラスである。しかも『ワレモノ注意』という赤い札がぺたりと貼り付けられている。
 ……なぜかクロネコヤマトの配達伝票までついてあるような気がするが。
 「……無論、そうだ。しかも君たちに依頼することも、ありきたりといえばありきたりだが。」
 高さ2メートル未満、直径80センチ程度。人間が入るには少々窮屈だが、無理というわけではない。
 中には、それとなく栄養満点に見えるいいとも特製青汁らしきもの(不明)が満たされている。
 ……『赤汁』でないだけマシだが。
 「……先に聞くけれども、何なんですか。これは。」
 いぶかしげに眺めていた良昭が、ふと校長に問う。
 「……タンクだ。」
 …………………おい…………
 「だからあたいたちはこの中になぁぁぁにが入ってるのかと聞いてるわけなのよっ!!」
 「……まっ……まさかっ!!この何の変哲もあるかもしれない筒が戦車に変形するとか、」
 「んなわけないでしょがっ!!」
ぼきぃぃぃぃぃぃっ!!
 良昭、爆死。
 結局、内容のことは上手くごまかされ……
 ……彼らは、このばかでっかい筒を持って逃げることになる。

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