+-----学園物語-----+
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−中の章−
なっ……なによぉ……あたいを丸焦げにした、今のバクハツは何!?
ぽてんっ、と鉄扉のノブが取れ、ぎしぃぃぃ……と開いた。
「だっ……大丈夫、か?って大丈夫そうじゃないな。……こりゃヒデえ。まるで七輪で焼き過ぎた秋刀魚(さんま)だな。ここまでやらかされて、よくいきてられたもんだ。」
こんぢょーだけなら人一倍のこのあたいが、炎くらいに負けててたまるもんですかっ!(そういう問題ではない)
ぶるぶると体中の灰を振り落とし、気合を入れるあたい。
「……奥から、だな。」
今ではごちゃごちゃと人の話し声が聞こえる。電気がついている。……もしかしたら『魔法の光』かもしれない。
……まさかあれがホタルの光とか、窓の雪とかじゃないだろうけど。
「厄介ごとにならなきゃいいけどなあ…。」
と、良昭クンが言って懲罰室を出ようとした瞬間……
がっぱん。ああああぁぁぁぁ…………
モロに、床がなくなっちゃった。
「だぁぁぁいじよぉぉぉぶぅぅぅぅ??」
大穴の中からは返事がない。ああ、成仏してね……って、そなこと言ってる場合じゃないのよっ!
「……こりゃあ、あの奥に秘密がありそうね……」
ぜったい、あの奥があやしい。あやしくなかったら話が進まない。だからよっぽど底の深いこと考える筆者でないかぎり……特に冷飯食太郎は底が上げ底になってるヤツだし!何かあるはず!
と、ワケのわからん確信をして、奥へと進んで行ったのだった。
……………
ハメられた。
冷飯食太郎は、あなどったらあかんかった。
そこには、どっかの話し声を流すスピーカーが置いてあるだけだった。
……もちろんのこと、ここは地下。
「………くしょおおおおおっ!何よっ!けちけちけちけちけちっ!」
と、いきなし、そのスピーカーの流す音が変わった。
それというのは………
きゅううううっ、きりきりきゅうぎぎぎぎぎっ、きぃゅうぅうぅぅ……
何のこっちゃない。黒板をひっかく音。……って、何のこっちゃないことないわよっ!
「あああああ………あががががっ!」
頭が痛い。耳が痛い。目か痛い。歯が痛い。手が痛い。足が痛い。腹が痛い。えとせとら。
なんで黒板ひっかく音で目・歯・手・足・腹が痛くなるのかはおいといて、とにかくゲロゲロで……キショイ、そんな音。しかもダンジョン?内でひびきあい、絶妙なハーモニーに……?
とにかくあたいは、中で盛大にバクチク鳴らされてるような頭をもたげ…
「こんぢょーっ!」
ぶちぃっ!
と、気違いも真っ青の雄叫びをあげて、スピーカーのコードをひきちぎった。
「はぁーっ、はぁーっ……効いたぜい……」
言っておくけども、あたいはボクシング漫画の主人公ではない。
とりあえずスピーカー黒板ツメこすり地獄(意味不明)をきりぬけたあたいは、一路好奇心を満たすため……ちがうちがう!良昭クンを探すため、さらに『だんぢょん』の奥へと進んだ。 これがまた。タダモノじゃ、なかった。
途中、ホモの毒ヘビ。精霊魔術の研究レポートの未提出者がいたためにこの世に未練が残ってアンデッド化した教師。「私はエボラ患者じゃあああ」と叫びながらカゴメのトマトケチャップをあびせてくるおっさん(はっきし言って「毒ヘビ」より怖かった)。等々々々。
コワイのはもしかして奥のほうでごちゃごちゃとしゃべりあっている良昭をかっさらった(とおぼしき)人達より、こっちの方じゃないかと思っちゃったくらい。(実際そうだと思う。) とにかく、そーゆーのを除けば(除くと全部なくなるような気がするけど)順調に進んでいる、と思う。そして……今度こそ本当に、話し声が聞こえて来た。
通路のつきあたりに扉があって、たてつけが悪いらしく半分開いたままになっていた。
いったい、ここに扉をつけた大工は誰?クレームつけなきゃ!
やっぱしそういう場合じゃない。あたいは、そっと扉の端から中を覗く。
「神よ!」
と、第一声。こうゆーのはたいていカルト教団だったりするけど、あいにく壇上は汎世界魔法学園の校長さんだったりする。
よけいあやしい。
「我が盟友の良昭……ごにょごにょ……をイケニエに……永遠の力を……ごにょごにょ……」
ええっ!?これってやっぱし、良昭クンをイケニエにささげて自分が永遠の力をもらっちゃおう、っていうバカげた底の浅い計画なわけ!?
どーぞどーぞ。良昭クンくらいでイケニエになるのなら。
じゃない。
そういう問題じゃない。たぶん。
がっぱんっ!
条件反射的に扉をフッ飛ばしたあたい。立て付けが悪くぎしょぎしょ言っていた木の扉がフッ飛んだ。
「そこの悪役校長!自分が力を得るために罪もない……あったっけ……ともかく生徒を生け贄に使うとは悪もほどがあるっ!さっさとあたいの天誅を受けるのよっ!」
ばごべしっ!べきゃっ!
日ごろいろいろとお小言いただいている先生方をフッ飛ばし……人の骨が折れる音もするけど気にしない!そして、校長のいる壇上へとかけあがった!で、校長のムナグラをつかみ上げ…
「あんたっ!良昭に何する気よっ!アホォォォォォッ!」
「何言いやがる!俺のハライタ治してくれている先生に、なんとゆーことをっ!」
……………へ?
あたいは、良昭の言葉に硬直した。
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